(4/30)バンドマン、歌ってよ。(3)

   あんまり長く間が空いちゃうと忘れちゃうので忘れる前に3回目。前にもちょっと書いたけど、彼はじつのところ、もろ手を挙げて褒め称えられるほどのスゴ腕というわけじゃなかった。まぁ10年もライブハウス出てるうちに自然とうまくなっていったから、最後は結構スゴい腕前になってたけど、特に最初の頃は、聴いててあんまりしっくり来る感じじゃなかった。そんなんだからけっこう何度も、そいつのバンドの他のメンバーに「ヤツを首にしろ。」と迫った。今にして思えばなんて図々しいこと言ったんだろという感じだけど。

   でもヤツの価値は、別のところにあった。どうやらそうだったらしいということが、ずいぶん後になってわかったというか、感じられてきた。というよりも、俺がこの10年間、何をやってもバンドが形にならないのに、彼はずーっと引く手あまたでバンドに困ったことがなかったというのはその違いなんだということが徐々に、でも痛いほど、感じられてきた。一言で言うと「人間性」って事なんだけれども、コミュニケーションの力というか、場の雰囲気をなごませたり、盛り上げたりする力。そういうことに、ヤツはものすごく長けていた。昔の俺にはただのお調子者にしか見えなかったところが、実は意外にバンドのパワーになっていた。

   俺は1年がかりでメンバー探しをしてやっと組んだバンドを、たったの3ヶ月で、一度もライブをやらずに解散させてしまったことがある。自分のやっている音楽は絶対正しいと思いこんで譲らないので、衝突が頻繁に起こる。それでも力で押して突き崩すので、メンバーがついて来ない。もう終わりが見えてきたという頃、自分のバンドのリハーサルがあんまり雰囲気悪いので、イヤになって時々ヤツのバンドのリハーサルスタジオへ押し掛けたりした。俺はロビーで煙草をくゆらせながら談笑するメンバーたちを横で見ていて、ふしぎななごみ感というか、リラックスした感じがすこし羨ましかった。こういうのがあればもっとクリエイティブになれんのかなぁと。ヤツの発する言葉の殆どは、嫌みか皮肉か憎まれ口なのに、なぜだろう?タイミングのちがいかなぁ?

   うーむ、だめだ。言葉じゃぁ説明できそうもない。でももし彼のような能力が俺にあったら、もう少し報われる20代だったかなぁ。。。。いやいや、たらればはやめよう。

   バンドがメジャーを視野に入れ始めた頃、事務所の人間が介入してきて「ベーシストをクビにしろ」と言ったらしい。という話が耳に入ってきた。理由はというと、何年か前に俺がしきりに言っていた、技術的なこと、らしかった。メンバーからその話を聞いたとき、ムカついた。きっと5年前だったら言うとおりにしろよって言ったに違いないのに。バカか?アイツがいなくてバンドが続く訳ないじゃん。

   最終的に事務所はバンドから離れていって、メジャーへの道を絶たれたバンドは解散してしまった。もちろん理由はそれ以外にもたくさんあったろうけど。でも気がついたら10年バンドが続いていた。俺から見れば天文学的な数字だ。だから俺ん中では「ミュージシャン」よりも「ベーシスト」よりも、「バンドマン」が一番ぴったりなんだな、彼は。



(4/30)エセRockerは外道Bluesman

   忘れてるうちに、このコーナーも3周年。フツーに行きます。

   前にもちょっと書いたけど、去年の秋くらいから、あちこちのライブハウスでやってるブルースセッションにちょこちょこ顔を出すようになった。ほんとはちゃんと曲を書いて普通のブッキングで出たいとこなんだけど、音源が完成するのを待っていたらいつになるかわからない。いや、全く不甲斐ないものだ。ははは(^.^;。とりあえず週に一度くらいは人前で何かやっておこうかなと思って、でも一ヶ所だけだとつまらないので、毎週違うライブハウスにあちこち出るようにしている。今は大体月いちローテーションて感じで5ヶ所くらい。

   行く前は「ワカいもんにはまけんぞ」系のサムいオヤジどもが集まってクダまいてんのかなぁと、漠然と思ってたけど、実際に顔出してみると意外といろんなヤツがいてまぁ面白い。下は「神童」扱いされている高校生から、上はもういい加減くたびれてんのにまだ70年代を引きずってる、還暦間近のジジィまで、実に幅広くというか、ま、みんなもの好きってことだな。

   そんなんだからプロ顔負けの、ていうか本物のプロも中にはいるし、逆に顔だけプロっぽくって、実際に演奏を聴いたらそのギャップにかなりびっくりするような人もいる。何週間か前に一緒に演奏したオッさんは後者だったな。「普通のスリーコードじゃつまんないから、ちょっとファンクっぽいのやろうよ。」とオッさん(ちなみにパートはベース)。「面白そうじゃん。じゃぁそれやろう。」ってみんなで張り切ってステージに上がったはいいけど、演奏を始めた途端にオッさん、ものの見事なヘタっぷり。もうみんなドリフみたいにコケまくってしまった。演奏しながらこけるのはドリフじゃなくて欽ちゃんバンドだな。まいいや。最初はモノスゴいムカついて、演奏の途中で帰っちゃおうかなと思ったけど、出してる音とは裏腹にオヤジがあんまり真剣な顔をしていたので、何だかちょっとだけかわいそうになって結局ボロボロになりながらもなんとか演奏を終えた。でもあまりにドリフっぽいというか、欽ちゃんバンドっぽいそのオヤジが、というよりもその時ステージ上にいたみんなが、思い出すとおかしくておかしくて、帰りしな思い出し笑い連発しながら「サイテー!」てつぶやいてた。そんなアホなオイラ。サイテー。

   そんなタノしい体験がありながらも、やっぱりここでもオレは外れてんなー、と感じる。職場でもいつも感じてることだし、まぁしょうがないかなとも思うけど、第一印象が、やっぱりウザいんすかねぇボクって。しかもそれがずいぶん長続きするというか。別に直すつもりもないですけど。大体どこのライブハウス行っても最初に言われるのは「音がデカすぎる。」金払って出てんだからすこしぐれー音デカく出させろっつーの。で、言われたとおり小さくすると、今度は全然聞こえない。そんな横で常連さんがさっき俺が出してたくらいの音でキモちよさそーに弾いてる。あれ?こいつは何も言われねぇの?ナグるぞマジで。何でだろうと思ったらそういう常連はだいたいすごくブルースっぽいフレーズをいい感じで決めてたりする。俺はそんなの弾けないからいつもやってるようにガーと弾くんだけど、いや、でも自分の中では限りなくブルースな感じで弾いてるつもりなんだけどねぇ。でも連中それが気に入らないんだろうな。「今日はヴァン・ヘイレンみたいに弾くのぉ?」とか茶化されることあるし。前にも書いたけど、なぁんかほんとに校則の厳しい学校みたい。ブルース道。バァ〜か。

   そんなこんなでどこの店のマスターも未だにあんまりロクに口きいてくれない。どうも苦手だなぁあ、あいう人種。さぁどこまで続くかねぇこの外道Blues人生。ストーミーマンデーなんてぜってー歌わねぇかんな。



(4/11)人形劇って、ダメっすかねぇ。

   プリンプリンが、予定通り1年間のスケジュールで、つつがなく、最終回を迎えた。のはもう1ヶ月近く前だけど。相前後して、サンダーバードも、ひょっこりひょうたん島も、去年の4月に始まった再放送が帳尻あわせのようにぱたぱたっと終わってしまった。プリンプリンはまぁしょうがないとしても、ひょうたん島は去年の2月のテレビ50周年記念イベントで、続編を作るぞくらいの勢いで宣伝してたのに、なんだこの体たらくは?ま、最終回の7話連続は面白かったけど。サンダーバードに至っては、全然途中じゃん。なんだよ全くもう。

   今の子供達には、あんまりウけないのかなぁ?人形劇。中二か中三の頃、地元にやって来たひとみ座の公演に、喜び勇んで出かけた俺とは、やっぱりちょっと感性が違うのか?ちなみにその時の演目は『大どろぼうホッツェンプロッツ』これもやっぱりNHKでやってた人形劇。原作はドイツの有名な童話だけど、NHK版は幕間々々にルパンの声の山田康雄さんが出てきて本編に登場する人形と掛け合うコーナーがあった。ルパンのあの声で「ホォーッツく〜ん!」と主人公をチャカしまくるのが子供心にすごく楽しかったのを覚えてる。

   人形劇といえば、この前亡くなったいかりや長介さんの追悼番組で『飛べ!孫悟空』をやっていたのを見た。やっぱりこれも夢中になって見てたんだよな。歌がスゴく楽しい。「♪ニンニキニキニキ.......」タイトルが"Go West!"だから曲調がカントリー&ウェスタン。ドリフサイコー。PTAの目の敵だったドリフだけど、こんな楽しい人形劇、今の子供達には是非見て欲しいな。

というわけで、1年間ありがとう。>NHK
今までありがとうございました。あなたのおかげで子供時代、とても楽しかったです。お疲れさまでした。>長さん。



(4/11)びんぼう

   そんなことをやったりしてるもんだから、最近結構、というかかなり、忙しい。しかも金にならないことで。(まぁそんなこんなで更新もままならない訳なんですけど。←言い訳禁止。)ほんとに、びんぼう暇なし。大瀧さんの歌のように、いや、それ以下だな。肉も食えん。←それは医者に止められてるからだ。

   そういえばこの前職場の近くにあるパン屋に寄ったら「パンの耳」を売っていた。7〜8枚くらい入って30円。なつかしい「パンの耳」。つってもそんなによく食ってたってわけではないけど。でも3月までやってたNHKの『てるてる家族』、性懲りもなくまた朝ドラを見てたわけだが(笑)、それに、あだ名がおんなじ男の子が出てて、パン屋にパンの耳もらいに行ってたのを思い出して、最後ひとパック残ってたのを買ってみた。

   そしたらパン屋のおっさん「このパンも、食べる?」と、レジそばにあったホットドッグを指さして言った。閉店間際の時間帯で、今日中に売れなければ処分という運命だったんだろうけど、それよりもやっぱり「パンの耳」が効いたんじゃないだろうか?お金出して買えば130円くらいはするだろうホットドッグを、なんと2つも、くれた。こんな事ならほかのパンは買わずにパンの耳だけ買っておけば良かった。

   今の俺、多分確実に、ビンボーオーラ出てます。そんなんでいいのか?35歳。



(4/11)ウタ

   慣れないことを始めたもんだから、歌詞が覚えられなくて困ったりする。しょうがないから耳馴染みのある、昔よく聴いた曲を歌ったりするが、ブルースバーで"For You Blue"とかを歌ってしまうと中途半端にベタなため「フーん(-_-。」とハナで笑われたりする。スリーコードなら何でもいいじゃん別に、と"Money"なんかを歌うと今度は「ココはブルースバーです〜!」と声高に言われたりする。まるで校則の厳しい学校みたいだ。

   ウルセーなーいちいち。それじゃあこれならどうだ、と"あきれて物も言えない"を歌ってみた。誰も知らなかったのか、みんな口をあんぐり開けて見ていた。ザマーミロ(笑)。

   味を占めておんなじRCの"誰かがBedで眠ってる"をやってみたら、今度はリズム体がリズムを再現し切れなくって、ボテボテになってしまった。ブルースやってるヤツって意外と応用力ねぇな〜。

   なーんて言いながら、結構楽しんでんじゃね?



(4/11)中途半端なまま、4周年

   開いてんだか閉まってんだかわからんまま、何か知らないうちに4周年が過ぎてしまった。

   いい加減な性格がいかにも現れているような。。。。。

   さ、どうなりますか。



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エセRockerの独白