Oct.'12 エセRocker の独白

（10/28）ヤイリ・エアシステム

2月か3月頃修理したアコギ。実はピックアップの部分だけが「もう部品がありましぇん(T_T」という理由で、手つかずのまま返って来ていた。

1985年に製造された"DY-28E"というモデル。"Yairi Air System"という、当時としてはひじょうに画期的なピックアップがついていた。。。というのは、えーと、前に書いたのでここを読んでください。

9年前にこの記事を書いたとき、デッドストックの部品を使って修理してもらったエアシステム、9年の時を経て、接触不良がひじょうに顕著になってきた。BREATHに出始めた頃から、リハーサルのときにアコギの音が出たり出なかったりということが何度もあったけど、なんとかだましだまし使って来た。でもこの前ついに本番で、一曲まるごとアコギの音が出なかった(ToT。If I Fell。下のYoutube、音をよく聴くとわかるかなぁ。ギターはバックトラックのエレキギターの音しか出てないんだよね。

うーむ、ちょっと、やっぱり替えた方がいいかなぁ。。。オケを使った曲だったから良かったようなものの、アコギ弾き語りの曲だったらかなり残念なことになっていたかもなぁ。

アコギのピックアップに関してはまったくのド素人なので、まずはメーカーに相談してみようと、何ヶ月か前、ヤイリのクラフトマン「松尾さん」と電話で話したことがあった。エアシステムがヘタって来たのでかくかくしかじかと伝えると、最近はこんなのを載っける方が多いですよみたいな感じで、丁寧に説明してくれた。素人考えで「やっぱりフィッシュマンとかですかね？」と言うと、フィッシュマンと同じくらいか、もっと性能のいいのがありますよということで紹介してくださった。"LR Baggs"という、初めて聞くメーカー。

その後、ヒマを見て何軒かのお店に行き、実際にLR Baggsの載ったギターを弾いてみた。"ANTHEM"という、コンデンサーとピエゾの両方を取り付けて、それをミックスするタイプのが面白かった。ピエゾだと低音がずっしり来るし、ボディータップみたいな音もいい感じで拾ってくれる。だけど"ギターの音"としてはもう一つ。逆にコンデンサーは、まさにギターらしいいい音がするけど、ハウりやすいし、低音もいまいち。エアシステムはコンデンサーマイク二つの組み合わせだったから、録音ではとても重宝したけど、ライブではかなり苦労したもんなぁ。。。"ANTHEM"はコンデンサーとピエゾ、それぞれの出力をミックスしてバランスを取るツマミがついている。これでバランスを取って、ちょうどいい感じの音が出せる。これは面白い。。。

というわけで、思い切ってANTHEMを買ってみた。27年前に作られた、今となってはもう傷だらけのギターが、この先どれだけ頑張れるかはわからないけど、まぁなんか最近そこそこいい音になってるし、これはこれでいいかなぁ。岐阜のヤイリの工場へ送ってエアシステムを取り外し、新しくANTHEMを取り付けてもらって、今日家に持ち帰って来た。

今のところ楽器屋のアンプと、家にある小さいアンプにつないで鳴らしただけだけど、まぁいい感じじゃぁないかな。最初に別のギターで聴いたときの感想とはいくぶん違うけど、少なくともハウリングによる悩みは解消されそうかなぁ。それと、派手にボディータップをしてもそれなりに響きそう。あと、冗談でファズとかつないだりしても大丈夫かなぁ、みたいな(笑)。。。

何だかつまんない話ばっかりだなぁ。

このギターを譲り受けてから20年の間、オレを支えてくれたヤイリ・エアシステムくん、どうもありがとう。君の名はエレアコ史に燦然と輝くだろう。たぶん。。。

写真は取り外されて戻って来たヤイリ・エアシステム。二つある丸いのがコンデンサーマイク。